それがぼくには楽しかったから
それがぼくには楽しかったから 全世界を巻き込んだリナックス革命の真実 (小プロ・ブックス)
- 作者: リーナストーバルズ,デビッドダイヤモンド,風見潤,中島洋
- 出版社/メーカー: 小学館プロダクション
- 発売日: 2001/05/10
- メディア: 単行本
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Linux という Operating System を生み出したリーナスさんが書いた本.
Linux 知らなくても読める,高校生でも読める,エンジニアも楽しめる,
ビジネスマンだって興味を示すことができる,そんな万人向けの本.
もちろん Linux に詳しいとかコンピュータが好きな人ならもっと楽しめる.
Linux 誕生までの簡単な下りはこうだ.
まず UNIX が AT&T ベル研究所で誕生した.
デニスリッチーとケントンプソンが PDP-11 でゲームがしたかった,というのがそもそもの発端である.
そしてリーナスはその洗練された UNIX システムに感動し,UNIX の教育用とでも言うべき MINIX に出会った.
MINIX も UNIX 同様すばらしかったが,リーナスは MINIX を使用している内にいろんな不満を持つことになる.
最初は独自のターミナルエミュレータを作るところから始まったらしい.
次はそれを毛の生えた程度に改良したもの,さらにその次は…,と改良を加えていった.
ほとんど0からの開発だった.そしてリーナスは「POSIX 規格を知りたい,誰か資料を持っていないか?」と,MINIX のメーリングリストで発言したのだった.
それからリーナスは独自の OS を作っていることを公表し,欲しい機能などについて意見を募っていく.
これなら見せてもいいかな,というある程度の出来になった時点でインターネット上にソースを公開した.
それを元にいろんな改良が小さなコミュニティーの少数のオタク達によって行われていくうちに出来たのが Linux だったのである.
Linux はオタク達の小さなコミュニティーの中から生まれて育っていったのだ.
以上が Linux 誕生までの流れだ.
そして Linux はオープンソースという特徴を武器にしてどんどんと発展を遂げていったのである.
リーナスは Linux が成功した理由の一つとして,オープンソースという点を重視しているようである.
そうそう,この Linux 誕生の話しも面白かったけど,他にもリーナスの人となりが分かるようないろんなエピソードが載っていて楽しかった.人生の意味について,とか,名声と富について,とか.
次の二つは特に印象に残った.
- タネンバウム教授との戦い
MINIX のメーリングリスト上でやりとりされた教授とリーナスとの熱きバトル!
ちなみにここで全部読めたりする.
http://www.oreilly.co.jp/BOOK/osp/OpenSource_Web_Version/appen_A/appen_A.html
- 恋人
リーナスは結婚して三人の子供がいるわけだけど,出会った秘話がすごい.
リーナスが大学で助手をしている際,宿題としてメールを提出することにしたらしい.
そしたら,その学生の中のトーベという女性が「デートをしてください」という内容のメールを提出したみたい.
それから二週間の間,リーナスが計算機なしの生活を過ごしたのは最長記録だったんだって.
Just For Fun!