ネットワークはなぜつながるのか
ネットワークはなぜつながるのか ― 知っておきたいTCP/IP、LAN、ADSLの基礎知識
- 作者: 戸根勤
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2002/11/11
- メディア: 単行本
- 購入: 5人 クリック: 44回
- この商品を含むブログ (61件) を見る
ネットワークの全体像をざっと知るのに役立ついい入門書であった.
探検ツアーという格好で,クライアントの Web ブラウザに URL を入力してから
それが Web サーバーまで送られてデータが処理され,
再びクライアントの元に戻るまでの道筋の中で何が起こっているのか?
ということが理解できるように章ごとに割り振って説明していた.
各章で学べることは以下のような内容である.
- TCP/IP の基本的なやりとり
- OSのプロトコルスタック
- LANアダプタの構造
- ハブとルーターの挙動
- アクセス回線(ADSL,光ファイバー)とプロバイダー
- キャッシュサーバー
- Web サーバーの挙動
などなど.
個人的には第4章のアクセス回線(ADSL及び光ファイバー)とプロバイダーに
焦点を当てた部分が見どころであった.
ADSLでは信号の変調方式,光ファイバーではコアとクラッドなどの内部構造の説明にまで至る.
プロバイダー間の各連携の工夫と仕組みも面白かった.
この本1冊あればネットワークの全体像を把握するには十分であると思う.
ただあくまで基本的なことしか書ききれていないので,この本を読了した後は自分の興味のある範囲の詳しい解説書などに移るといいなと思った.
その意味でも参考文献なども記載して欲しかった.
あと簡単なウォーミングアップ問題や,章毎に確認クイズなども設けてあり,
理解度を確認できるようになっている.
不満点としては脚注が無駄に多くて分かりにくいと感じたことと,参考文献がないということ.
図と本文の対応が悪い(ページのまたがりがひどい)ということぐらいであった.
文章は平易で大切な内容は繰り返し書かれており理解しやすいようになっている.